からすとロンのものがたり

からすとロンのものがたり
    


かんぺいとからこは からすの夫婦であります。
大きなお寺の これまた大きなイチョウの木が
ふたりのすみかでありました。

そのふたりに あかちゃんからすがもうすぐうまれます。
いままでの巣では 小さいので
新しい巣をつくりはじめました。

みわたすと ふわふわとぐあいのいいものがありました。
それは さむくなってはえかわるために漉かれた ロンという犬の毛であります。
ロンは年をとっており、かんぺいたちが
そばまで下りていっても チラッとみるだけでした。

ぶじに巣ができて                 
5わのあかちゃんがうまれました。
イチョウの葉がみーんなおちて
木のてっぺんに 巣だけがのこりました。

すると木の下で だれかの声がします、
おや、あの年老いたロンがしっぽをふって
「どうだい、わしの毛は いいベッドになったかな」
といっているではありませんか。
からすのおやこは「ありがとう!!」と
せいいっぱい はばたいたのでありました。

         (物語背景は編んでるシアター館ブログをご覧ください)

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