マギーおばさんのお話(1)

 マギーおばさんのお話(その1)


昔、ペルーという国の王様にマギーという乳母がおりました。
王様がもう大人になったのでマギーおばさんはおひまをいただくことになりました。

今まで王様のことを何から何まで面倒を見ていたので、ひまをとることになると今度は王様が心配で心配でたまりません。

どこへ行くのかとたずねると"遠いところ”と答えるマギーおばさん。
王様はたくさんの家来をつけて旅立たせることにしました。

まず、ハチドリが世界中を飛び回り、ジューンベリーの木のある小さな家を見つけました。

二羽のコンドルのくちばしに大きなカゴ、その中にマギーおばさんを入れてさあ、旅立ちです。

そこは小さな島国、日本の真ん中くらいにある静かな住宅街にある小さな空き家でした。
夜のうちに引っ越しをすませると、やってきたのは王様に命じられた家来たち。


さる、いぬ、ねこは日本でもおなじみ。
でもペルーの動物たちはなんとなくちがいます。

それにペルー特有の動物たちもたくさんいて、スルスルと家に入っていきます。
こんな小さな家に…と思うほどたくさんの動物たちが入っていきます。
王様、どんだけ心配したのでしょう。
でも中に入るとその家は大きくふくらんでどんどんどんどん入ることができるのです。


朝になるとさっそく台所から・・・いいにおい!
ほら、マギーおばさんのおとくいのマカロンがたくさん出来上がりましたよ。

そのいいにおいにつられてやってきたのは町の女の子デコちゃん。
家の扉が開いていたので中にはいっちゃったデコちゃん。
あれあれ、ふしぎ!
あんなにたくさんいた動物たちは、すーーッと姿を消してしまい、家の真ん中に大きな丸いテーブルが一つだけ。

デコちゃんは変な気持ちになっていました。
確かに誰かたちの気配はするのに、マカロンのいい匂いはするのに誰もいないのですもの。

すると姿を見せたのはマギーおばさん。
デコちゃんはあわててテーブルの下にかくれてしまいました。


「かくれなくともいいのよ、お友達になりましょ。わたしはマギーですよ。」
マギーおばさんはテーブルの上に、マカロンと紅茶をいれて「さあ、どうぞ」とすすめてくれました。
めしあがれ!


そのマカロンのおいしかったこと!
二人はすぐに友達になりました。
でもあのたくさんの家来の動物たちはどこへ行ってしまったのでしょう。

じつはデコちゃん、犬のトンちゃんを連れていて家の前のジューンベリーの木にゆわえつけていてたのですがトンちゃんはさすがに犬の嗅覚でこの家の怪しさに気がついたのかずっとほえつづけていましたけどね。

さ、これからマギーおばさんとデコちゃんのお話がうまれますよ。
お楽しみに!!





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